るなめにゃの「め」

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名前は、めぐめぐ。
男の子。

今はもう居ない。
ななみより、半年くらい後に拾った猫。

夏の夕方。
つってもまだお日様がめらめら元気な時間帯に、スーパーの駐車場、私の車の後ろの日陰で2匹並んで仔猫が仲良く座っていた。
アスファルトが熱いだろうに私の側に寄ってきたから、「家に来たいの?」って、声掛けて、車のドアを開けたら、2匹が車に乗って来た。何の迷いもなく連れて帰ったけど、るるちゃんと、なーちゃん居るから、ちと困った。幸い次男のお友だちが1匹引き取ってくれたんで、無事家の子になった。

とても賢い猫だった。
旅立ったのは、昨年の10月18日。
トロールに出掛けても、必ず帰ってきてたのに、段々と帰らない日が増えて、その度に弱々しく痩せていった。
帰って来ると、必ず私に抱っこされたがって甘えた。他の子が抱っこされてたら、その子を押し退けて私の膝に乗ってきてた。
ご飯もお水も欲しがらなくなり、よろよろしながら、また、部屋を出ていくことを繰り返してた。
10月18日の夕方、数日振りに帰ってきて、長いこと私に抱っこされた後、ゆらっと立ち上がった。いつもは、私を見つめては「にゃあ」と可愛く鳴いて、パトロールに出掛けるのに、その日は違った。
長いこと、私に抱かれて、私の目を見つめ続けた。かなり長い時間。
なんとなく覚悟してたから、
「めぐちゃん、もう死んでしまうん?」って聞いた。
めぐちゃんは、私が声を掛けると必ず返事をする子だったけど、その時は、返事をしてくれなかった。その代わり、ただずっと、私を見つめていた。
なんだろな、表現しようのない慈悲深い目だった。なんだか全てを悟らせるような。
暖かいとか、包み込むような、とか、そういった類いのものじゃなく、淡々としたというか、崇高というか、そういった感じの目だった。上手く表現出来ない。
長いこと私を見つめた後、ゆっくり、本当にゆっくり、よろよろと部屋を出て行った。
「あぁ、めぐちゃん、もう帰って来ないんだな。」って、私には、分かった。
私に抱かれて旅立つことを選らばなかったんやな、って。
どこで最後を迎えたのかは分からないし、探すこともしなかった。
無責任だと、思う人も居るだろう。
でも、めぐちゃんと過ごした17年間、どれ程あの子を大切に思い、どれ程愛していたかなんてことは、めぐちゃんと私が知ってる。それでも猫らしく自然に旅立つことを選んだのは、あの子自身なのだから、あの子の気持ちを尊重したい。

今でも、あの眼差しと、よろよろと部屋を出て行った後ろ姿は忘れられない。

スーパーの駐車場でちょこんと座っていためぐちゃん。
私の顔を見ながら、にやりとした表情で、布団の上でオシッコしためぐちゃん。
るるちゃんが行方不明になった時、探し出してくれためぐちゃん。
にゃあにゃ(明日ブログに書く予定の子)が家出した時、連れて帰ってくれためぐちゃん。
本当に賢い猫だった。

まだ2匹の老猫が居る。
ろろ、るるちゃん、めぐちゃん、と、命には限りがあるから、別れは本当にしんどい。
もう、その場の可愛さで、生き物は絶対飼うものではないと、固く決めている。



コロナ騒動で、2週間世間と離れていたら、いつの間にか桜が見頃になってる。
去年の桜の満開時期、長雨が続いて残念な思いしたなぁ。
自然ってホント凄いと思う。
四季のある日本に生まれてホント良かった。
心からそう思う。