何やってるお店なん?

意味ないけど、ある日のブランチ


ずっとずっと気になってたお店がある。
お店の前の駐車場に「◯◯マフィン」って書かれたお洒落な看板。

パン屋さんやったら「手作りのパンの店」とか、エステやリンパマッサージやったら「癒しの空間」とか、手芸や美術関係やったら「趣味のなんちゃら」とか、普通は店名の看板にあるやん?
なーんにもない、店名だけ。
私は車でしかその店の前を通らないから、秒で通る度に、いったい何のお店なんやろか?って、不思議に思いつつ一年以上経過してしまったわー。
いや、スマホで調べれば直ぐ分かることなんやけど、調べること自体、直ぐ忘れてしまうから( *´艸`)
で、なんとなく思い出したんで、検索してみたら、美容室やった。
◯◯マフィンやから、マフィン専門の上品な高級洋菓子店かも?って思ってたわ。
先入観って、おもろいな。


もう一軒、こっちはちゃんと何のお店か分かる店名なんやけど、商売としてやっていけるんやろかって思う不思議なお店。
「オーダーメイドの出来るランドセル屋」って書いてた。
この店の前も、車でしか通らないから、秒で過ぎる。
だから、もしかしたら普通にバッグとかも置いてるんかもしれないんやけど、看板の店名は「ランドセル屋」。
いや、ランドセルって、人生で小学校の入学前に一回しか買わなくない?
人口が数万人のこんな田舎で小学校入学する子が何人居る?
しかもランドセルって、一年中買う訳やなく、買う時期が限られてるから、ほんとにランドセルだけで商売が成り立つんやろか?
オーダーメイドったって、相場がいくらなんかは知らないけど、そこまでランドセルに拘りがある地域だとも思えない。
不思議を通り越して心配になる。
今年の2月頃に出来たお店なんやけど、通勤途中に有るから、要観察店やな。


今日のお仕事は、平常の忙しさやった。
販売スタッフもGW対策してたからフル動員シフトで平常以上にスムーズやった。
でも、裏の冷凍庫と工場の冷凍庫に山のように有った「ちまき」は全て開店直後に完売やったし、柏餅も嘘のように売れた。
日本人ってほんと、イベント好きな人種やなって、つくづく思うわ。

柏餅は「がめの葉」やったかな?(忘れたけど、ここの地域では、柏の葉を使わなかったと思う)
お餅を巻く葉だけは業者から仕入れているから、その葉が無くなったら今季は終売になる。
でも、ちまきは笹で巻く技術がかなりの熟練が要るらしく、創業以来、ちまきの完成品を同じ業者から毎年仕入れ続けているとのことで、老舗の和菓子屋の伝統の味を守り続けることに拘っているということだ。
材料も原料も仕入れ先も拘るから、利益率は低い。そらそうやろなー。
ちまきの中身を作る技術は有っても笹を巻く技術は無いし、工場でちまきの中身を作って笹を巻く技術のある業者に送って、仕上げて貰ってまた送って貰うようなことしたら、鮮度も落ちるし、今の値段では売れんし。
笹を巻くのは絶対に手作業で、ってことにも拘ってるくらいやから。
老舗の看板や味を守り続けるってのも、大変な事やな。
そんでも、毎年の季節商品を楽しみに待ってる人が多いってのにも驚く。
この店でパート始めて一年経って、季節商品を一回りしたけど、各々の季節商品に根強いファンが居て販売開始を待ってるんやもん。
まぁ、殆どが高齢者なんやけど、つまりは老舗ってことなんやなー。

ここで働くようになって、知らなかった世界に触れた。
最初の数ヶ月は一年経ったら辞めよう辞めようと思ってたけど、やっぱ人生に無駄な事なんちゃ何ひとつ無いって思うわー。
まぁ、その経験の副産物がただの自己満足に過ぎないだけだったとしても、この世の中、私は私が知っている事だけしか知らない、私が知らない事は、私が知っている事の何十何百倍もあるってことなんやって思い知らされるから、人生もおもろいって感じられる。

まぁ、もう少し頑張れるかな。